今回は、戸建て向けの太陽光発電と蓄電池を専門に扱う株式会社ECODA(東京都渋谷区、代表取締役・平間 一也)が2026年の年明けから相次いで公表した五本の調査をもとに、今の日本のエネルギー事情に迫ります!
対象は、戸建ての持ち家に住む世帯、子どもと同居する持ち家世帯、単身で賃貸に住む若年層、一般の生活者、そして企業の経営層。合わせて3,000人を超える回答から見えてきたのは、電気をめぐって多くの家庭と企業が同じ地点で立ち止まっているという構図です。
八割が値上がりを実感し、四割が限界を口にする
出発点は、電気料金です。持ち家で子どもと同居する30代から60代の既婚者510人に尋ねた調査では、この冬の電気代が昨年より上昇したと答えた人が八割を超えました。上昇幅として最も多かったのは一割から二割未満で、金額にすれば月に1,300円から2,500円ほどの増加です。二割から三割の上昇を実感している家庭も二割以上ありました。
注目すべきは、その先の回答です。住まいのエネルギーに関する不安として最も多く挙がったのは、電気代が家計を圧迫しているという声ではなく、節電を頑張っても限界を感じるという回答でした。四割を超える人が、努力の天井に達したと感じている。暖房の使用を控え、厚着をし、家族が過ごす部屋をひとつにまとめる。そうした工夫を積み上げてもなお、請求額の上昇を止められないという実感です。
我慢は、若い世代ほど深く沈んでいる
同じ時期に、20代から30代で単身の賃貸住宅に暮らす504人にも同様の調査が行われました。一人暮らしを始めてから電気代を意識するようになったと答えた人は七割を超え、毎月の請求額を確認する、エアコンを短時間しかつけない、待機電力を減らすためにプラグを抜くといった行動が並びます。寒さ対策として最も多かったのは厚着でした。
賃貸という条件では断熱改修も設備の導入も選べません。その制約のなかで、電気代がかからない暮らしができるとしたらどんな生活が理想かという問いに対し、およそ三割が停電の心配がない生活を、また三割近くが太陽光で電気をまかない電力会社に頼らない生活を選んでいます。今は選べないが、選べるなら自立したい。そうした潜在的な志向が読み取れます。
脱炭素が続かない理由は、効果が見えないこと
視点を環境問題に移すと、別の断層が現れます。20代から60代の501人に脱炭素の認知を尋ねたところ、言葉の意味まで理解していると答えた人は一割ほどにとどまりました。実践している行動として多いのは、節電、エコバッグ、ごみの分別といった、費用のかからないものです。
そして行動を阻む要因として最も多く挙がったのが、効果を実感しにくいという回答で、六割近くに達しました。個人の努力が環境にどう貢献しているのかが見えないことが、継続を難しくしている。一方で、サステナブルな暮らしを支える住まいの機能としては、断熱性と耐久性に続いて、停電時でも普段通り電気が使える蓄電の機能が三割を超える支持を集めました。理念よりも、実感できる安心が求められているということです。
企業もまた、環境ではなく採算で動いている
企業側の調査も、同じ方向を指しています。経営者や役員など503人に脱炭素施策に取り組む理由を尋ねると、最も多かったのは電気代や燃料費の高騰への対策、すなわちコスト削減で、五割を超えました。次いで災害時の事業継続、いわゆるBCP対策が四割近く。企業の社会的責任やブランドイメージの向上は、それらの後に続きます。
導入したい施策としては、照明のLED化や高効率空調への更新が最多で、蓄電池の導入によるピークカットや非常用電源の確保、自社施設への太陽光設置がほぼ並んで続きました。家庭と企業が、まったく同じ順路をたどっていることになります。
分かっているのに、電源だけが空白のまま
その一方で、備えは追いついていません。戸建ての持ち家に住む1,010人を対象とした防災調査では、優先して対策が必要な項目として断水と停電がいずれも六割を超えました。停電時に使えなくなって困るものの首位は冷暖房で、およそ六割。トイレと冷蔵庫がこれに続きます。
ところが、防災対策として実際に用意しているものを見ると、水や食料の備蓄、懐中電灯、乾電池が上位を占め、モバイルバッテリー以外の電源供給手段を準備している人は三割ほどにとどまりました。結果として、現状のままでは災害時の電気利用に不安があると答えた人が八割を超えています。必要性の認識と、設備としての手当てのあいだに、はっきりとした空白が残されているのです。
共通する壁は、いつも初期費用
なぜ空白が埋まらないのか。企業調査が、その答えを直截に示しています。脱炭素施策が進まない理由として最も多かったのは、初期導入コストが高く予算化できないという回答で四割近く。次いで投資対効果が見えないこと、何から手をつければよいか分からないこと、専門知識を持つ人材がいないことが並びました。
意欲がないのではなく、最初の一歩の費用と、判断するための知識が足りない。家庭においても構図は同じです。節電の限界を感じ、停電に不安を抱き、設備への関心を持ちながら、そこから先に進めない。
株式会社ECODAの代表を務める平間 一也氏は、補助金の予算が年々縮小する傾向にあるため、必要だと感じた時点でそのとき使える制度を最大限活用すべきだと語ります。同社がこれまでに2,000件を超える補助金申請を手がけてきたのも、費用という最初の壁こそが最大の障害だと理解しているからでしょう。同氏が繰り返し口にするのは、太陽光や蓄電池は投資商品ではなく生活インフラのひとつだという捉え方です。ガスも水も自宅で自給することはできないが、電気だけはそれができる。五本の調査が浮かび上がらせたのは、その選択肢に手が届きかけている家庭が、すでに相当数存在しているという事実でした。
なお各調査は、いずれもPRIZMAによるインターネット調査として2026年1月から2月にかけて実施され、調査元は株式会社ECODAです。
