太陽光発電を扱う事業者は全国に数多く存在しますが、その事業のかたちは一様ではありません。野立ての発電所を手がける会社もあれば、住宅設備の一部として付帯的に扱う住宅会社もあります。そのなかでも株式会社ECODA(エコダ)は、戸建て住宅に対象を絞り、太陽光発電と蓄電池の設置だけを専門に手がけている点に特徴があります。本社は東京都渋谷区、代表取締役は平間 一也氏です。
事業の輪郭は、一文で説明できる
株式会社ECODAが自社の事業を説明するときの言葉は、驚くほど短いものです。戸建て向けの蓄電池と太陽光の設置専門店。この一文に収まる範囲から外に出ないという姿勢が、そのまま同社の性格を示しています。
現在の従業員数はおよそ40名、拠点は5か所。施工実績は累計で3,000件を超え、2024年の一年間だけで1,800件に達しました。補助金の申請代行は2,000件以上を手がけています。Googleに寄せられた口コミの評価は4.6。ニチコン株式会社からは、家庭用蓄電システムの販売実績第一位として感謝状を受けています(2023年12月時点、ニチコン調べ)。
他社との違いを尋ねられた際に平間 一也氏が挙げるのは、取り扱う製品の数の多さと、AIを活用した業務の効率化です。特定のメーカーに縛られず選択肢を広く持つことと、社内の作業を圧縮して価格に還元すること。この二つが、同社の競争力の土台になっています。
訪問せず、広告を通じて出会う会社
株式会社ECODAを語るうえで外せないのが、訪問営業と押し売りを行わないという方針です。これは接客上の心がけというより、事業モデルそのものに組み込まれた設計といえます。
同社は店舗を構えず、オンラインに特化した体制をとることで店舗運用にかかる費用をゼロに抑えています。加えて、メーカーからの大量直接仕入れによって仕入れ原価を下げ、専任担当者制によって人件費も圧縮する。こうして削った固定費を価格に反映させることで、他社より抑えた金額での導入を可能にしているという説明です。
飛び込みで訪問し、その場で契約を迫るという従来型の営業手法を採らないかわりに、広告を通じて情報を求めている人と出会う。この構造が、価格の透明性と結びついています。
提案しないという選択肢を持っていること
同社の姿勢が最もよく表れているのが、経済効果が見込めないと判断した家庭には提案自体を行わないという方針です。
太陽光や蓄電池は、どの家に設置しても等しく効果が出る設備ではありません。屋根の形状や日当たり、そして現在支払っている電気料金によって、導入後の満足度は大きく変わります。株式会社ECODAは現地調査と聞き取りを徹底し、効果が出ないと判断した場合には、そもそも提案の段階に進まないとしています。導入するかしないかという地点から一緒に考えるため、不要な設置が起こりにくいという理屈です。
目安として同社が挙げているのは、四人以上の家族で月に1万円以上の電気料金を支払っている家庭であれば、経済的なメリットを実感しやすいという線引きです。営業担当者が売りたい機種を勧めるという行為は、短期的には会社の利益になるかもしれないが、顧客と長く付き合うことは難しくなる。同社はそれを、フェアな関係ではないと表現しています。
施工と保証に置かれた重心
設置工事では、屋根の破損が起きやすいことが以前から指摘されてきました。株式会社ECODAは、屋根の形状によっては穴を開けない施工に対応できる職人とも提携しており、万一施工に不備があった場合には五年の保証を設けています。機種によっては最長二十年の保証も可能で、これはメーカーとの特約契約に基づくものです。
長期の保証は、会社そのものが存続していなければ意味を持ちません。また、保証書が付いているだけでは十分ではなく、製品の違いを判断できる担当者がいなければ、いざというときに保証を活用しきれない場合もあります。同社が相談から提案、補助金や電力会社への申請、施工管理、そして設置後のフォローまでを一人の専任担当者が通しで担当する体制をとっているのは、この点への回答でもあります。導入前に電気料金がどれだけ下がるかを試算する無料のシミュレーションも受け付けています。
調査を発信する会社という側面
株式会社ECODAには、設備を施工するだけでなく、生活者と企業の意識を継続的に調査し公表しているという一面もあります。戸建て世帯の防災と電力確保、冬季の電気代高騰に対する家計の反応、脱炭素に対する理解度など、対象を変えながら複数の調査を重ねてきました。回答者が1,000人を超える規模のものもあります。
自社の商品を売り込む材料としてではなく、電気をめぐって家庭や企業がいま何に困っているのかを可視化する試み。専門店でありながら業界全体の見取り図を描こうとする姿勢が、ここに表れています。
代表が見ているのは、その先の社会
平間 一也氏が語る事業の目的は、設備の販売にとどまりません。太陽光と蓄電池をもっと当たり前のものにし、広告を通じて適正な価格で流通させたい。訪問販売によって高い金額を払い、損をしている人が今も少なくないなかで、自分たちにできるのは適正な価格を伝えることだ、という考え方です。
同氏はこの設備を、生活インフラのひとつとして捉えています。ガスも水も自宅で自給自足することはできませんが、電気だけはそれができる。届けているのはその選択肢である、と。
五年後、十年後に向けては、製品の販売から製造までを一貫して手がける体制を築き、全国一位の販売店になることを目標に掲げています。戸建てという一点に絞り込んだ専門店が、そこからどこまで広がっていくのか。株式会社ECODAという会社の輪郭は、まだ描き終えられていません。
